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2025年10月19日(日)アルバム発売記念 IoYouワンマンライブ
「Love No Limit」1019 開催!

2025年10月19日(土)に西新宿ガルバホールにて開催されるIoYou ワンマンライブ「Love No Limit」1019 のチケットが、9月11日(木)13:00より販売開始となります。
ニコニコチャンネル会員の方は会員割引がありますので、ぜひこちらをご覧下さい。

3月8日にIoYouスペシャルイベントが開催され大好評だったガルバホールにて、
アルバム「Love No Limit」収録の14曲を、ベーゼンドルファーのフルコンと共に、
アルバムに込めた想いや、作品ごとの解説などを交えながら、心を込めてお送り致します。


津田直士ニコニコチャンネル会員の皆さんには、会員割引のチケットをご用意しております。
一般が¥4,600のところ、ニコニコチャンネル会員は¥4,000(¥600割引き)となっています。

チケット販売開始の9月11日(木)13:00より、会員の方はこちら↓をクリックし、下記パスワードを記入の上お入り下さい。
 

 2日の8時半に、僕たちは三浦霊園へ着きました。
 例年のようにあくあくん(津田直士ニコニコチャンネルのパートナー)と共にヒデちゃんに会いに行ったのです。
 黙祷の少し前、それまで僅かに降っていた雨が一瞬止まって空が明るくなったのが印象的でした。
 やがて時間となり、その場にいた全員で黙祷をしました。
 その間は再び、ちょうど涙のように優しい雨が降っていました。
 
 ふと、昨年はとても明るい気分でここにいたことを思い出しました。
 hideがこの世を去って26年目だった去年、松本さんやhideを想う関係者の皆さんが、5月も12月もとても明るい姿勢でイベントとステージを展開したことから、新たなフェイズが始まったという実感があったんだと思います。
 でも不思議なことに今回、ちょうど雨模様の天気のように、僕は何となく切ない気分になっていました。
 黙祷の後でヒデちゃんに話しかけた時も、いつものようにヒデちゃんが永遠でたくさんの人達に夢と希望を与えていることへのありがとうを伝えながら、気がつくと個人的な想いを伝えていました。
 
 ヒデちゃんと話した後、いつもはそのまま霊園を後にするのですが、何となくしばらく佇んでいたくなりました。
 そしてふと、お参りに来ているファンの人達に話しかけようと思いつき、5名ほどで集っていた方へ声をかけました。
 その方達はやはり毎年訪れているそうで、しかも必ず閉園までいるのだそうです。
 いつも集うファン同士がこの場所で繋がり、交流会のようになるそうです。
 ヒデちゃんの大切な日ならではの優しさに満ちた空気を感じました。 
 
 その後は横須賀であくあくんと飲みながら、ヒデちゃんやXに関する話を延々としました。
 あくあくんとはこれまでXやヒデちゃんの話を何時間したかわからないほどですが、それでもまだ話をしてしまう。
 Xもヒデちゃんも、その存在が永遠である証拠なのかもしれません。
 
 3日は、お招き頂いたhide with Spread Beaverのライブを観に行きました。
 前日の暴風雨とは打って変わって5月らしい青空が広がる中、DJブースで踊るみなみちゃんを眺め、展示されている自動車の前で記念撮影をしてから会場へ。
 向かった席は特別に用意されたブースの中にあり、招いて頂いた厚い気持ちを感じ、深く感謝をしました。 
 
 ライブレポート的な要素は割愛させて頂きますが、過去のhide with Spread Beaverライブと比べると、ずっと進化した感じがありました。
 考えてみれば、このライブスタイルというのはかなり珍しく画期的で、ひょっとすると他に誰もやっていないのではないでしょうか。
 少なくとも大変新しい試みであることは間違いないです。
 ですからI.N.A.ちゃんを始めとしたメンバーが展開するステージには、観ている僕たちには見えない様々な苦労や工夫、表現の広がりやその可能性などがあったのだと思います。
 I.N.A.ちゃんの準備や全体のビジョンも凄いと思います。
 何より、本人が不在でありながら、視点を変えると明らかに存在している。
 存在しているのは過去の記憶であり、映像に映し出される実際に行われたステージの記録であり、永遠に残る作品とその音です。
 ですから、メンバーはそれぞれにそういった記憶とその当時の気持ちを演奏する音やパフォーマンスに託しながら、一方で今の現実の音楽家としての表現も重ね合わせていくわけです。
 本番ならではの、その瞬間しか生じない生のエネルギーを演奏に注ぎながら、そこに記憶から生まれるエネルギーを重ね合わせていく。 

 同じようにステージで演奏する音楽家として、そのようなプレイを展開するメンバーに、とても深い感動を覚えます。

 また、観ていると何よりもhideというアーティストの魅力と作品の素晴らしさが心に響いてきます。
 僕は、20歳の頃から主にポップスやブラックミュージックをベースとしたフィールドで音楽活動を続けて来ました。
 Xのプロデュースを手がけた時も、ロックにさほど詳しくないからこそ、Xが世界で一番かっこいいロックバンドだと感じる気持ちが最大のモチベーションだったわけです。
 日常的にもさほどロックミュージックは聴かない僕ですから、ステージのhideから痛い程放射される「ロックのかっこよさ」に、「かっこいい…」と呟きながら、僕は感動のあまり泣いていました。
 
 そんな風にステージを観ながら、僕はあることに気づきました。
 それは、記憶の中にあるヒデちゃんは間違いなく「生きている」という事実です。
 過去に僕がこのブロマガで「hideへの手紙」という形で書いてきた文章には、必ず「永遠にありがとう」というメッセージを記してきました。
 その永遠は、hideがある意味ずっと皆んなの心に生き続けているんだ・・・という表現のひとつだったわけなのですが、今回生きている、と感じたのはもう少し別の感覚でした。
 
 前日の三浦霊園でも感じていたのですが、それは記憶の持つ大きな意味に繋がるとても繊細で大切な感覚だったのです。
 
 過去は無い。
 過去は全て瞬時に消えていき、今しかない。

 僕がいつも思っていることです。
 もうないのだから、囚われていてもしょうがない。
 過去をひきずるよりも、未来に向かって今を創るべき・・・ 
 
 それが僕の大切にしている考え方なのですが、一方で記憶はずっと残り、とても意味のある重要なものだ、というのも僕にとって大切な考え方なのでした。
 
 それはこれまで僕が書いてきた本に刻まれている、メンバーと過ごした時間の描写やそこから見えてくる新たな真実などからわかって頂けると思いますが、その記憶について、最近より強く思い始めたことがあるのです。
 それは、時間というものが僕たちの生きている3次元空間では時の不可逆性(時間は過去から未来に向かって進行していき、その逆はない)という厳然たる法則が存在していることに関係があります。
 
 過去が無いというのも時の不可逆性から生まれる真理ですが、もしも4次元空間では時間が自由であるとしたら・・・という仮説からイメージが膨らんで、僕がたまに心の中でタイムスリップして、まるで目の前にあるかのように35年前当時のメンバーの表情を見つめているのは、実はそのままその時間が生きているのではないか・・・と考えるようになったのです。
 
 僕達が3次元空間に生きている以上、過去は無いのだけれど、触ることも見ることも叶わない4次元空間を、目に見えない力で感じることができるのではないか・・・という、ある意味オカルトのような考えなのですが、実はこの辺りの研究は結構進んでいて、決して単なるオカルトとは片付けられないんですよね。 
 4次元空間におけるもう一つの座標軸が時間であるという考え方も現在では一般的なものです。
 
 そんな最近のイメージから、僕がXの話を書くためにタイムスリップした時、本当に目の前にメンバーがいるように感じるのは、実はその時間が永遠に生きているからなのではないか、と思ったのです。
 そもそもこの発見は、Xのメンバーだけの話ではありません。 
 僕は母方のおじいちゃんが大好きで、今は亡きそのおじいちゃんをイメージすると、何だかとても強いエネルギーが身体中に湧いてくることを、数十年間感じて来ました。
 そしてその時、心に浮かぶおじいちゃんの笑顔があまりにリアルなのがずっと気になっていたのです。
 
 最近の僕が確信しているのは、やはりあのおじいちゃんの笑顔も懐かしいあの頃のメンバーの表情も、全ては今の我々の毎日と同じように生きているのだ、ということです。  
 それはただのイメージでもないし、オカルトでもない。
 ちょうど二重スリット実験でわかる「量子もつれ」が実際にあるように、今の科学による裏付けがまだでも、そして僕たち3次元の者には容易に手が届かないけれど、時間を超えた何かがちゃんと存在している、それはまさに事実なのだと思います。
 ということは・・・
 
 想いを強くすれば、僕たちは記憶にあるヒデちゃんにいつでも会うことはできるし、今回のライブでファンが動画越しに観たhideもまた間違いなく生きているのだと思います。
 そして、hide with Spread Beaverのメンバーが何かしらそれぞれのhideへの深い想いを込めて演奏していたことがさらにその事実を後押しして、知らず知らずのうちにファンは、ステージで観るhideが本当に生きているんだと感じられたのだと思います。 
 それが今回のあの素晴らしいステージの本当の意味なのだ、と僕は思ったのです。

 I.N.A.ちゃんが僕と同じような考え方を思っているのかどうかは実際に話してみないとわからないけれど、少なくともそのような素晴らしいステージを創り上げた、I.N.A.ちゃんを中心とするメンバーや松本さんとそれぞれのhideへの想い、そしてステージを成功させた制作チームやあらゆるスタッフの皆さんに、心から感謝をしたいと思います。


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☆ 過去、5月2日に配信されたhideへのメッセージはこちら

2022年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar2094517
2021年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar2017380
2020年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar1895003
2019年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar1758710
2018年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar1508476
2017年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar1257668
2016年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar1020434
2015年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar782868
2014年 https://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar521894

 
 
 
 好きなように生きていながら、一方で僕は自分の偏りはある程度わかっているつもりです。 
 
 ここまで自由であることを最優先にして大事な人生の選択をし、何もかも自分流にカスタマイズしながら好き勝手に生き、その代わりに自由に伴う不安や恐怖もまた当たり前に受けとめ続ける日々・・・。
 そんな生きかたも果たしてどうなのだろうか・・・と思いますし、このエッセイの始まりを飾ったネガティヴ祭りのきっかけでもある「ネガティヴを無効化し続けてきた」生きかたも、一度音楽と決めたら音楽人生を貫き通す生きかたも、全てが凄まじく偏っているとは思います。
 
 でも、僕が自分で一番偏ってるなあ、と感じるのは、常に自分にケンカを売って毎日を過ごしているところです。
 自分との闘いと言うと聞こえは良いですが、若い頃あまりに上昇志向が強かったせいか、自分を高めて望む場所へ辿り着くため、僕は常に納得のいかない自分にケンカを売って、ダメな自分を蹴落としながら進化して前へ進む道を歩んで来ました。
 10年前20年前の自分はもちろんのこと、たとえ昨日の自分でもズタボロに貶しているわけです。
 その代わり、他人はあまり気にならないし、どんどん成長できるので、まあ結構気持ちの良いものではあります。
 ただ・・・
 
 やはり何事も度が過ぎるのは良くないわけで、僕のこの生きかたの何が良くないかというと、過去の自分をちゃんと評価できていないんですね。
 今の僕自身は否定するけれど、実は過去の自分もそれなりに頑張ってきたわけです。
 何よりその成果が今の自分を作っているわけです。
 でも、ケンカ腰過ぎてどうもそこがちゃんとわかっていない。
 実際、Xのプロデュースに携わっていた頃の自分なんて今の僕にしたらまあズタボロなわけですが、当時の自分が取材を受けた雑誌の記事を読むと、今の自分とほぼ変わらないほど大切なことがわかっていて、思っていたよりもなかなかちゃんとしているので驚くのです。
 少し悔しいし、何なら若干の嫉妬心すら芽生えます。
 もう少し過去の自分も認めてあげれば良いのに・・・と思うわけです。
 
 で、実は僕のそういった偏りは、さらにもっと重大な問題を生んでいるんです。
 それは何かというと・・・
  
音楽プロデューサー 津田直士の 「人生は映画 主人公はあなた」

音楽プロデューサー/作曲家の 津田直士が、その経験から得た、「主人公という生きかた」をもとに、① 人生の悩みや迷いへの答えを分りやすく答える『その答えは』 ② 世間の話題や素晴らしい作品、アーティストプロデュースや音楽制作などあらゆるテーマで自由に綴る『本能が吠えるまま』 ③ 伝説のバンド X JAPANと共に過ごした記憶が瑞々しくリアルに綴られた著書「すべての始まり」に記されなかった舞台裏とプロデュースの原点を新たな視点で描く『夢と夕陽』 ④ 自分らしい人生を積極的に生きている人にインタビューをして、生きかたのヒントを見つける『ある人生 』といったブログを定期的に展開します。

著者イメージ

津田直士

小4の時バッハの「ロンドBWV.1067」を聴き音楽の本質に目覚め、14歳の頃、ピアノを触っているうちに “音の謎” が解けて突然ピアノが弾けるようになり、作曲を始める。早稲田大学在学中よりプロ・ミュージシャン活動を始め、卒業と同時にSony Musicに入社。‘03年、フリーランスの作曲家/音楽プロデューサーとしての活動を開始、作曲家としてSony Music Publisherに所属。’11年からは、音楽業界の現状に危機感を覚え、出身母体のソニーミュージックをベースとして、新しい才能の育成とプロデュースを本格的にスタート。今後その才能が順次世の中に登場していく。

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